不動産会社の営業トークに「家賃は何にも残らないけど、ローンの 支払いは家が資産として残る」という典型的なものがあります。 そして、「ローンの支払いは家賃よりも安い」という次の矢を放ちます。
このトークについて、少し検証してみましょう。
まず、家賃には、ほとんどの諸経費が含まれておりますが、 ローンの支払いの場合、この他にマンションなら管理費、 一戸建てと共通して、維持費、固定資産税などがあります。
さらに、ボーナス払いがあれば月の支払いにならし、入居当時の 諸経費の差額や自己資金も月の返済に加えなければなりません。
ここまでを計算しなおしてみると、家賃よりも支払いが安いとは ならないケースがほとんどです。もし、仮に家賃よりも負担が 少ない場合は、おそらく何かの条件を犠牲にしています。
さらに負担の多い少ない以外で考えたいのが、支払いが出来なくなった 場合や住まいが生活に合わなくなった場合のこと。
もし、支払いが厳しくなった場合、賃貸なら安い家賃のところへ 住み替えればいいが、売却してもローン残高が上回る時、 行き詰ってしまう。
ここで、先日のご相談をご紹介します。
[相談内容]
現在、マンション購入を考えております。
1つは、都心の駅から近いところに50uくらいの物件を購入し 将来的には投資用として購入する。子供ができ成長したら (10年後を考えています)購入した物件を貸し、家賃収入を ローンにあて、残りを家賃へまわす。
2つは、はじめから都下にファミリータイプのマンションを購入する。 双方の仕事が忙しいため、希望としては1で現在3500万(30年ローン) 検討中のマンションがありますが、投資用を主として購入することは どうなのかということです。
2人とも実家が持ち家で長男長女なので将来どうなるかはまだ わからない状況です。 あと3年くらいは共働で繰り上げ返済等も考えています。
[回答]
まず、ご生活スタイルからですが、共働きでかつ忙しいとのことですので、 都心の駅から近く、お勤め先へのアクセスを重視することにより、 時間と疲労の面から効果があると考えられます。
このことから、購入するしないは別としまして、上記のような利便性を 重視したマンションに居をかまえる方がよろしいのではないでしょうか。
都下にファミリータイプのマンションを購入するなら、 賃貸でも都心にお住まいになった方がよろしいかと思います。
特に、お二人ともご実家が持ち家で、先行き不透明な部分が あるとのことですので、なおさらだと思います。
マンションの資産価値から考えますと、利便性を重視した考え方は これからの主流になりつつありますので、都心の駅から近い物件の方が 資産価値は維持されやすいと思われます。
※価格が維持されるのではなく、下がる率が緩やかという比較で。
このことからも都下のマンションの選択肢はないと思われます。
また、お尋ねの投資物件についての考え方ですが、都心の駅から 近い利便性の良いマンションなら、入居者は見つかりやすいと思われます。 全く無いわけではないですが、空室リスクは少ないかもしれません。
しかし、ローンが残ったまま、賃貸(不動産投資)にするのは、 空室リスク、賃料と維持管理費リスク、次の住宅に対する足かせなどが ありますから、10年後の賃貸に出す時期までに、かなりの返済をし 出来れば残高ゼロ、もしくは、かなり少ない残高にしたいところです。
繰上返済も、残高ゼロの計算が立ちそうなら、期間短縮で行い、 残高が残りそうなら、上記リスクから、期間短縮と返済額軽減の 併用をすることが望ましいと思います。
マンションを今買わなければならない理由は、市場性からはありません。 (今買わないと価格が上昇し買えなくなるなど)
あとは今どういう住まいに住みたいのか、クオリティなどから、 購入するのがベストなのか、賃貸でも可能なのかの見極めでしょうか。
家賃が勿体無いとの考え方もありますが、購入した場合と 賃貸の場合の損得は、そんなに差はないと思います。
[ここまで]
もし、住まいを購入するなら、現状や市場(家賃)との比較ではなく、 購入した後の生活や住まいを考えていくべきです。
資産価値や損得ではありません。
家賃よりも安いからという安直な動機だけは止めてください。 購入した住まいで得られる満足感、安心できる支払い、 これからの人生の住まいなどが購入するかしないかの見極めポイントです。
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