金融資産と言ったら“まず貯金”ということから、リスク資産を含めたポートフォリオを分散化する必要性が指摘されている中、問題になっているのは、株式などの市場整備だけではなく、むしろ、非金融資産、特に不動産(持ち家)の制度改革が必要であると、一橋大学助教授の祝迫得夫(いわいさこ・とくお)助教授が、日本経済新聞の特集面に寄稿しました。
その記事の中から、興味を引いた点、ポイントをご紹介させて頂きます。
≪家計の預金偏重是正策≫
〜非金融資産とセットで、制度改革住宅を軸に〜
・労働所得リスクは各自で異なり、そのリスクと金融資産リスクのバランスが大事である。ハイリスクの労働ならローリスクの資産、または逆も。
・住宅ローン残高と株式保有には負の相関関係がある。つまり、頭金を貯めるために安全資産の形で貯蓄し、購入後は所得の多くを返済にあてざるを得ない。
・住宅購入に伴う資金制約があるため、日本の株式保有年齢のピークは50〜60歳代で、米国の40歳代に比べ遅くなっている。
・日米とも住宅価格と年収の比率は5〜6倍。両国の不動産市況や景気状態を考えると、日本は住宅資産購入の負担は相対的に大きいといえる。
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◆日本の家計は、多額の住宅ローン負担(住宅購入資金)に大部分を占められ、それがリスクのある金融資産への投資を妨げている一因になっており、特に若年層ではより大きい。
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これを解消するには、小手先の金融市場改革だけではなく、
それ以外の家計に影響している制度的要因に目を向けるべき
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◇相続税など現行の法制度や税制は持ち家優遇色が強く、また、ファミリー向けの賃貸市場の脆弱さが、持ち家へと向かう。
ここを改善し、良質な賃貸市場を形成できれば、持ち家購入による家計の負担が減り、リスク投資への可能性がある。
(07.03.06日本経済新聞)
確かに、持ち家偏重と優遇、多額の住宅ローン(高額な住宅所得費)が、不動産取得と資産の不動産比率上昇を支えているのは事実でしょう。
しかし、どこから始まったか(おそらく高度成長期の住宅取得政策)、根本的に日本人に根付いている持ち家志向と貯蓄・安全第一という意識が変わらなければ、家計のポートフォリオを変えるまでには至らないと思う。
では、この根本的な意識・志向が変わらないまま、ポートフォリオを改善するにはどうすれば良いか。私は、助教授が言う賃貸市場の整備に加え、中古住宅市場の整備も必要だと考えます。
賃貸市場が整備されれば一部は購入ではなく賃貸へと流れ、でも、購入に向かってしまった人は低負担の住宅取得(少ない住宅ローン)になれば、今までの高額な取得費との差額が家計に余裕を生ませ、投資や消費へと向かう可能性が出ます。
持ち家が第一優先でもないし、安全が第一でもなく、ここ数日間の株式市場暴落を見ても、リスク投資が第一とも思えません。
ポートフォリオって、要はバランスですよね。なら、賃貸でもなく、貯蓄と不動産(持ち家)と投資(株式など)を組み合わせるのが良いのではないでしょうか。
追伸:あくまでも各自の考えであり、安全偏重、持ち家偏重、投資偏重のどれも否定はしません。
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