7月、約6年ぶりにゼロ金利が解除された結果、変動金利や短期固定タイプの商品を中心に、住宅ローンの金利が上昇するのが確実視されています。(原稿作成時は8月の金利が発表されておりませんので)
弊社で運営しているサイトに掲載したコラムも、このゼロ金利解除に関する内容が多数を占め、アクセス数も量的緩和政策解除時と同様に飛躍的な数値を記録しました。
このコラムから、特にお伝えしたい内容をピックアップしてお知らせします。記事の詳細についてはサイトにてご確認下さい。
今回のゼロ金利解除は短期固定への影響が大きく、変動金利を始め短期固定系の金利が上がりそうです。短期固定の金利が上昇すると単純な結果として長期固定の金利も底上げされます。
しかし、金融市場の長期金利は、ゼロ金利解除は織り込み済みであったことや今後の利上げのテンポが緩やかそうだということで、安定的に推移しております。この状況を見ていると、住宅ローンの長期固定の金利もそう大きく上がらないだろうと私は推察しています。
銀行の担当者と話してみると、「いや全体的に同じように上がる」とのことですので、やはり長期固定の金利も短期固定と同様に上がってしまうのでしょうか。(私よりも銀行担当者の方が当たると思います)
これからの金利の動きを考えてみますと、ゼロ金利が解除された後、毎月のようにボンボンと上げていくわけではないので、しばらくは今回の一段上昇した水準で安定するのではと思います。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの投資調査部が発表したレポートによると、短期的には今年の秋にもう一段階上がるかもしれないが、来年以降は景気後退などから低下基調になるかもとのことです。(短期+0.5%、長期+0.2%)
日本経済新聞に、銀行関係者の意見が多数掲載されていました。そのほとんどが「急激に上昇はしない、大きくは上昇しない」という内容でした。
金利が上昇傾向=借り入れは長期、預け入れは短期。これは確かに正しい公式です。新聞・TVのコメントでも、そのほとんどがこの内容です。しかし、上昇値が1%内なら、短期と長期の金利差1.24%前後を下回り、短期固定の方が負担は少なくなります。
どのくらいの金利上昇をするのかという前提条件をきちんと提示しなければ、ただ教科書を読んでいるだけの机上の空論。2%を超える上昇と推定されるので長期を選択すべき!とコメントするべきでしょう。※いや2%くらいは上昇するよと推測する方は長期固定をお勧めします。
住宅ローンを借りるとき、長期固定は安心・負担増、短期固定は負担減・リスクを考えなければなりません。長期固定を検討する場合は負担が問題ないかを見るだけですが、短期固定はリスクを軽減するための方策を考えて実行しなければなりません。
今まで、短期固定のリスク軽減を繰り上げ返済を活用してみてきました。金利が上昇したら返済額軽減、金利が上昇しなければ返済期間短縮をしていくのですが、さらに金利上昇と老後資金のダブルリスクをみて試算してみました。
まず、通常、家計の融通性などを確保するために、長期で借り、繰上げ返済を活用して、老後の前に完済するという手法が一般的です。しかし、金利が上昇した際、返済額の軽減で負担は大きくならず、家計の破綻リスクは回避できても、返済期間が短くならず、老後に食い込むリスクが残ります。
そこで、当初から老後(60歳)前に完済する借入期間にして繰り上げ返済がなくても良い状態で、さらに金利上昇に備えるために、どの程度の繰上げ返済をしなければならないのかを見ます。
35歳で購入=25年返済(60-35)、借入金額3,000万円
(三菱東京UFJ銀行の金利にて試算)
・全期間固定3.24% 月々146,036円 返済総額4,381万円
・当初3年2.0%→4年〜6年目3.0%→7年目以降3.5%
月々127,156円→月々140,555円→月々146,693円
返済総額4,308万円
↓もし金利上昇が大きくなったら
・当初3年2.0%→4年〜6年目3.0%→7年目以降4.0%
月々127,156円→月々140,555円→月々152,984円
返済総額4,451万円
↓返済総額を全期間固定並みにするため
・繰り上げ返済
3年終了後98万円
(全期間と短期固定の返済額差額合計+30万円)
6年終了後50万円(同上差額合計+30万円)
≒返済総額4,384万円とほぼ全期間固定と同じ
↓ということは
・全期間固定時の返済額との差額と当初から
6年の間に年10万円を繰り上げ返済に準備できれば、
2%上昇しても負担は増えない。
もっと上がるとことも想定されますので、さらに繰り上げ返済資金を準備しなければなりませんが、これ以上の繰上げ返済資金を準備できそうもないと考えるなら、安全を考えて長期固定にすることをお勧めします。
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