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4.社会、経済、不動産

 地域環境の影響 (07.04.08)

FPジャーナルの特集記事“住宅が変わる!法律とローンの大転換”に明海大学不動産学部の齊藤広子教授(以下、教授)が現在の不動産市場の問題点と今後についてコラムを寄稿しました。

現場の不動産屋から見て、そうそうと思える内容が多く、今後の住まい探しと既に購入してしまった方にも参考になりますので、ご紹介しながらコメントさせて頂きます。

「昨年制定された“住生活基本法”は、箱を造ればよい時代から長持ちさせて流通させる時代になったことが法整備の背景にある

以前は“広さ、間取り、価格”を買う指標としていたが、最近は住環境を考える人が増えた。米国では隣が修繕しないと自分の家の資産価値が下がるため、それを防ぐための地域組織がある。」(教授)

教授は米国ではと仰っていますが、日本でも同様の現象はすでに起きています。

極端な例ですが、隣が“ゴミ屋敷”の住宅を購入しますか?普通はしませんよね。もし購入するなら、逆にお金を貰いたいくらいになるでしょう。

実際の住まい探しをしている方の反応を見ていると、隣の家や敷地が荒れていたり、雰囲気が悪いと、検討さえせず見送るケースが多く、近くや周辺も同様だと隣が良くてもダメというケースさえあります。

これは結果的に、良い条件で購入してくれる可能性を低くさせることになり、評価減≒売却価格低下に繋がります。このことは市場の中でも現場は肌で感じているが、きちんとした言葉で伝えたのは同教授が初めてでは。

もし、このことを売主さんへ伝えると、荒い性格の方なら隣へ怒鳴り込むかもしれません。私はそこまでできませんが、その気持ちはよく分かります。

しかし、個別に騒いでいても、社会全体が変わるまでには難しいかもしれません。TVなどで隣のために不動産価値が下がったことを取り上げられるなどして社会現象になり、認識が拡がればよいのですが。

また同教授は、「これからの住宅所有は“時間の概念”が必要。100年持つ6,000万円の建物と50年持つ4,000万円の建物なら、どちらを選ぶ?100年所有しようと考えると難しい(亡くなっている可能性が高い)が、100年住宅を50年所有するとなれば、割安になる。

しかし、このためには中古住宅流通の整備が必要であり、住生活基本法は、このシステム確立が大きな目的のひとつになっている。

土地代が高い日本では、どうしても建物が軽視されがちだが、建物の質はけして悪くなく、修繕する社会体制と正当な評価をすることが足りない。

中古住宅市場を整備するためには、建物検査や鑑定、建物情報の開示、リフォームの評価などのきちんとしたシステムを作る必要がある。」

今まで20〜30年程度でスクラップアンドビルドをしてきた日本の住宅事情しか知らないので、いきなり50年、100年という数字だとピンとこないかもしれませんので、もう少し現実に近い数字に置き換えます。100年住宅の意識が間違っているわけではありません。

50年持つ3,000万円の建物と30年持つ2,000万円の建物なら、どちらを選びますか?

100年住宅だと現実味もなく、どうせ死んでしまうからなどという考えも出てきてしまいますが、30年、50年ならまだ生存している可能性も高く、現実的に考えてみることができるのではないでしょうか。

1年あたりの住宅取得費は50年住宅の方が割安になります。しかし、50年間最後まで住み切るかどうか分からないケースでは、中古住宅で正当に評価され売却できる仕組みがなれければ、逆に割高になってしまうかもしれません。

例:今の不動産市場では50年住宅でも30年程度で評価はゼロになってしまい、30年評価ゼロの住宅を3,000万円で取得することになる。

このことから、建物検査や鑑定、建物情報の開示、リフォームの評価が必要と教授は仰っています。

最後に教授は、これらの仕組みを作ることの根底に、売主主義の日本の市場に問題があると指摘。この売主主義という言葉は売主が重視されるということではなく、なんでもかんでも売主側に負担させる方向であるという意味。

今後は、調査や依頼事項などにきちんとした手数料を払うという文化や意識、住宅を買うのは買い手の責任と発想の転換が必要と指摘しています。

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