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4.社会、経済、不動産

 収益マイホーム (08.08.10)

プレジデント誌の特集“お金の常識60”に「タダで100平米の自宅を手に入れる裏技、教えます」として収益マイホーム(自宅+賃貸住宅)が取り上げられました。

自宅の一部を賃貸とした併用住宅では、賃貸部分の収入を住宅ローンの返済に充て負担を軽減しようというものである。自宅が中心であれば住宅ローンの利用も可能であり、各種税金の軽減の対象にもなる。

日本に不動産投資ブームを作った“金持ち父さん”では、自宅は何も生まれない負債であり、自宅のために借金することに否定的な見解である。消費として資金を充てていては資産は形成できないと。

これが賃貸併用住宅であれば、住宅ローンも資産形成のための借金であり、家賃収入の分だけ、資産形成になると考えられる。もし、住宅ローンの返済分が家賃収入で賄えれば、冒頭に記載したタダで自宅が手に入るということになる。

同誌で紹介されたモデルケースでは、土地90平米・建物100平米の総費用が3,000万円、同額を住宅ローンで借りると月々の返済は9万円強、自宅面積は過半超のため50平米超・賃貸部は50平米弱で1R3室×家賃5万円で賃貸収入15万円、固定資産税や修繕費をみたとしてもおつりがくるとしており、空室を考慮しても大丈夫としている。

このケースを検証してみたい。50平米弱で3室ということは1室あたり15平米ちょっと、これで家賃5万円という設定ということは、かなり都会の立地である。弊社がある柏では、おそらく3〜4万円がいいところではないか。

もし、柏で上記設定の家賃が取れる立地で土地を購入しようとすると、坪単価70万円はする。90平米(27坪)の土地なら約1,900万円、購入諸費用を入れると2,000万円近くになる。この場合、建物の予算は1,000万円となり、どんな建物が建つのか?

建物について100平米(30坪)を新築した場合、木造の廉価仕様でも坪単価60万円すれば約1,800万円、併用住宅の場合、設備が増えることなどから単価は上がると思われ、その他諸費用も入れれば最低でも2,000万円は掛かる。この場合、土地の予算は1,000万円となり、どんな土地になるのか?

上記の検証した試算でも少し甘めにしてみたもので、現実的にはもっと予算が必要になるであろう。また、自宅としての希望や満足度が上記の例でどこまで満たされるのかが疑問である。

自宅部分の建物は50平米ちょっととして、間取りは2DKか2LDK。この広さの自宅を果たして満足できるのか。マンションでも80平米超、一戸建てなら100平米程度は欲しいというのが、今の購入層の希望ではないか。

また、安定した収入が見込める都市部で1,000〜2,000万円の土地で利便性や生活環境が希望を満たせるのか、しかも90平米(27坪)の広さも満足できるのか、これも現実に購入のお手伝いをしていて疑問に思う。

収益マイホーム、賃貸併用住宅という発想を決して否定しているわけではない。そうはうまい話はないということ、甘い試算で安易に乗らないように。

タダというのは厳しいのではないか、ある程度の負担は計算すること。どちらかといえば、土地からの購入ではなく、高度成長期にマイホームを購入して、建て替えを検討する方にとって良いのではないか。

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